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親との関係

私の親、おかしい?「親との関係がやばい」と気づいたきっかけ。スーザンフォワード「となりの脅迫者」

▼前回のつづきです。

親に一人暮らしを反対された私が、その日の夜部屋にこもって読みはじめた本。

それがこの、「となりの脅迫者」でした。

 

無料だし、つまらなかったらすぐ寝よう…

本当にお試し気分で軽く読みはじめた本だったのに、想定外。いつのまにか夢中になって涙もひっこみページをめくります。

これが、私が「親との問題ある関係」に気づくきっかけとなりました。

*ちなみに無料で読めたのはAmazonのプライムリーディング。残念ながらいまは対象外ですが、Kindle Unlimitedの対象となっています。(2020年8月追記)
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え、まさかそんなに問題あるの…?

本のテーマは、身近な人、つまり家族や恋人との人間関係について。

虐待する親やDVする彼氏と違って、一見まともで普通に見える関係の中にも、実はとっても問題アリなことがある、というお話でした。

たとえば、

・新しく習い事をはじめたら「きみは僕のことを考えてくれない」と不機嫌になって離婚とかいう夫。

・旅行にいくというと「家族で過ごさないなんてひどい」と泣きついてくる母親。

・娘の婚約者が気に入らないと、「結婚するなら縁をきる」という父親。

うう、聞いているだけでいやだなぁ。

いつも自分がおれて、本当の気持ちを伝えられない。相手を喜ばせるために自分の希望をあきらめたことを知っていながら、どうしたらいいかわからない。

「恐喝 」という言葉こそが 、事態を正確に説明する唯一の言葉

どきっとしました。

私も父との関係のことを考えていたから。

私がなにかしようとすると、「家族のことを考えてない」とか、「縁をきる」とかいってくる父・・・。

大切な人との関係をそう考えるのは難しいがと述べた上で、スーザンフォワードはこのような手段をエモーショナルブラックメールと呼んでいました。ブラックメール(blackmail)は脅迫状という意味です。

大切だからこそ、彼らを幸せにするのが大切だと思う。愛されたい、受け入れてもらいたいと思って彼らに従う。

ブラックメールのチェックリストにあてはまった衝撃

ブラックメールで用いられている強力な手段は、「恐怖心」「罪悪感」「義務感」。

言うことを聞かなければ悪いことが起こるとか、そんなことをするなんてひどい、間違っているという言い方で圧力をかけてきます。

大切な人に「恐怖心」「罪悪感」「義務感」を用いて圧力をかけられると、状況が見えなくなって屈してしまう。これがエモーショナルブラックメールのパターンでした。

でも、自分にはあてはまらないだろう。似ているけれど、本に書いてある実例ほどはひどくないし…。

しかし、そう思おうとするのをよそに、私が感じている父との関係は、ブラックメールのチェックリスト(p.15)にぴったりあてはまってしまったのです。たとえば、こんな項目・・・。

1.身勝手のレッテルを貼られる

私は自分のしたいことが父の望みと違うとき、たびたび「自分勝手だ」「人のことを考えてない」と言われてきました。例えば大学受験とか、海外旅行に行くだとかです。今回の一人暮らしもそうでした。そんなんじゃ情けない、認められないと言われ、それで何度傷ついてきたことか。

2.気持ちや希望を無視される

私のやりたいことが父の想いと違うとき、怒ったり馬騰したりすることで父は自分の思うようにやらせようとしてきます。そのとき私の気持ちや希望を聞くことはありません。それで最後は「わかったか」というのです。わかるわけはないけれど、私は早く終わらせたくてわかったフリをします。

3.父の希望どおりにすると称賛され、しないと罵倒される

思いどおりにいかないと「人間としておかしい」「この年齢にもなって成長してない」「そんなんじゃ外に出せない」といわれました。それで諦めて従うようにみせると、「成長した」と言われます。

こうして書いてみるとずいぶんとひどい扱いを受けているように感じますが、本当にこの本を読むまではそれが当然。自分のつらい状態がどんな状態なのかすら、気づいてもいませんでした。私に自分勝手なところがあるとか、父との相性が悪いんだと思っていました。

私はショックを受けつつも、徐々に自分の親との関係に問題があることを認識していきました。

もし愛情のあるコミュニケーションだったらどうなるのか

一方で、なんでもかんでも「ブラックメールだ!脅迫だぁ!」というレッテルを貼らないことも大事で、コミュニケーションに問題があるのかどうか、冷静に判断できるように、見分け方についても詳しく書いてありました。

葛藤が生じたとしても、それ自体は問題ではなくて。

それを、フェアで愛情のある方法を用いて解決しようとしているのか、それとも支配や脅しを用いて解決しようとしているのか、という問題でした。

もし愛情のある方法だったら、こういうふうになるみたい。

*あなたとの葛藤について心を開いて話し合う。
*あなたの気持ちと不安を知ろうとする。
*あなたがなぜ彼の望みに合わせまいとするのか、その理由を知ろうとする。
*あなたとの葛藤の原因となったことがらについて自分の責任を受け入れる。

父と私の関係には全然あてはまらなくて悲しくなります。こんなふうに関われたら、どんなに素敵だろう!

ちなみに母も私のやりたいことに色々言いますが、こちらにはあてはまりました。気持ちを話しあえるし、例えすぐにはわからなかったり反発する言い方になったりしても、理由を知ろうとしてくれます。

親との関係に向き合う覚悟ができた

父は多少怒りっぽいだけで、心配しているだけ。

そうも思っていたけれど、「圧力をかけられた人の多くが、脅迫者の態度は自分への愛情の深さの表れだと誤解する」とも書いてありました。

そうです、もう観念しよう。

私の父との関係には問題がありました。

最初は認められなかったけれど、詳しい解説や豊富な実例を読んでいるうちに、完全に向き合う覚悟ができました

それはちょっとつらかったけど、同時に、希望も湧いてきました。

ずっと嫌だったこと、父の怒りをおそれていたこと、父を嫌いでしゃべりたくないと思っていたことを「変えられるかもしれない」という希望。これは、これまでの状況が当たり前すぎて、考えたこともなかった望みでした。

私が変われば、関係を変えられる!

父が圧力をかけて私をコントロールしようとしていた、これは問題のあるやり方で、私は圧力にしたがっていた。

認識できたことが大きな一歩ですが、父を悪者にしてそこで終わりではありません。

被害者になるだけでは何も解決しないから。

受信者がいなければブラックメールは成立しない。

スーザンフォワードのこの言葉もまた強烈に響きました。そう、関係というのはひとりでできるものではなく、相手がいるからできるもの。私もその関係をつくっているのです。私が変われば、関係を変えることもできる。

本の後半には、関わり方を変える方法が書いてありました。私はそれを楽しみに、夜に父ともめた無力感も忘れ、安心して眠りについたのでした。

これが私の親との関係を大きく変えるきっかけとなったお話でした。

 

*「となりの脅迫者」は現在KindleUnlimitedの対象になっています。(2020年8月現在)
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